ERCについて 活動の概要(2007年度〜2009年度) アクセス
これまでの活動の概要(2002年度〜2006年度)

ERCについて
 

 東アジア産業経済研究センター(ERC)は、2002年度文部科学省私立大学学術高度化推進事業「オープンリサーチ整備事業」の選定を受け、東アジア、とりわけタイと中国を中心として、それら地域における(ア)日系企業およびローカル企業における人材育成と技術移転、(イ)日系企業の国際分業を調査・研究するリサーチセンターとして発足し、活動を続けています。
  このたび、2002年度から5年間に及んだオープンリサーチ事業の成果が文部科学省より認められ、2007年度より3年間同事業を継続することとなりました。旧リサーチ事業を展開する中で、海外現地の人材育成のあり方が、日系企業の国際分業の状況、および海外現地での企業間取引関係を規定する重要な要因の一部として認識されたため、継続事業においては旧事業では2つに分かれていたプロジェクトをひとつに統合し、新たな調査・研究活動を行う計画を立てています。
  日本企業のアジア地域への海外展開が進むなか、各拠点における諸活動を企業グループ全体の競争力の向上にどのように結びつけるのかという課題は今後ますます重要になると思われます。その競争力向上の鍵を握る現地人材の育成および取引ネットワークを通じた知識の吸収という点に着目し、更なる研究成果を挙げていきたく考えております。
  私どもの研究の重要な部分は、主に企業現場の方々にお話を伺い、その内容を概念的に整理するというスタイルをとっております。私どもの活動にとって企業の方々から頂戴するご協力は、何にも勝る財産と認識しております。なにとぞ私どもの調査研究活動にご理解を賜り、ご指導ご鞭撻を頂戴できれば幸いです。ご支援のほど、よろしくお願い申し上げるしだいです。

東アジア産業経済研究センター長
経済学部教授 中村 恵

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活動の概要(2007年度〜2009年度)
 
研究分野
  タイおよび中国における企業間取引関係と人的資源管理に関する研究

研究内容
  東アジア諸国における企業間取引関係と現地人材育成の実態分析

本プロジェクトの研究課題は日本企業のアジア地域への海外展開が進むなか、各海外拠点における事業活動をいかに企業グループ全体の競争力向上に結び付けるかについて具体的な政策提言を行うことにある。その鍵として本プロジェクトが着目した2つの視点は現地人材の育成および取引先との関係性構築である。

これまでのタイにおける事例調査を通じて、人材育成の手段や方法が現地拠点の中で自立した発展を遂げるためには現地拠点の「吸収能力」を高める必要があることが判明してきた。「吸収能力」とは現場で生じる様々な問題から学習する能力である。このような能力を高めるために、多くの現地拠点経営者は現地ホワイトカラー層の知識と経験の蓄積及び彼らの意識の改革が必要と感じている。そして、その能力は、例えば品質不良を取引先と協力して改善するなどの行為を通じて取引先との望ましい関係性を構築したり、自らの技術水準を向上させたりすることと関連があると考えられる。こうした能力の内容やそれを獲得するプロセスについて明らかにしていき、タイ及び中国の海外現地拠点の人事政策や取引先管理政策に関する提言を行う。

さらに、中国での事例調査によると、多くの現地拠点経営者は中国でのブルーカラーの技能獲得はタイに比べてはるかに速いという感想を持っている。これが上述したような組織の能力の違いによるものなのではないだろうか、そしてその違いが何処から生じるのか、比較研究によって明らかにしていく。

期待される効果
  これまで同様、タイ及び中国の日系企業、特に中小企業の現地拠点経営に対する情報提供を行っていく。また、産業集積研究に対して企業間の関係性という社会的資本の観点からタイと中国の比較研究を提供する。
現地拠点の管理責任者は異なる文化的背景を持つ従業員を管理する際に、働き方についての意識や組織に対する帰属意識の格差に戸惑うかもしれない。継続研究によって、現地ホワイトカラーのキャリア設計に関する情報および採用におけるノウハウという点ではより有効性の高い提言を行えるようになるだろう。
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アクセス
 
東アジア産業経済研究センター
住所 〒651-2180 神戸市西区伊川谷町有瀬 518
神戸学院大学大学院経済学研究科内
TEL (078)974-4829
TEL +81-78-974-4829
FAX (078)974-5856
e-mail asia@eb.kobegakuin.ac.jp

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